Q&A

参考文献リストはこのページの下にあります。

Q1・解剖に適した煮干の選び方は?

A1・このサイトで紹介しているのはカタクチイワシの煮干の解剖です。いろいろなサイズのものが売られていますが、小さなものは内臓も小さくて解剖にはむきません。とにかく大きなもの、大羽(おおば)と呼ばれる8cm以上のものがおすすめです。ペット用などでも解剖はできますが、解剖したあとのお楽しみ、食物連鎖を実感するお味見にはちょっと?ですね。食用として選ぶには、背中がそりかえっていないものが良いそうすが、解剖用も同じです。そりかえっていると腹が破れて内臓がなくなっていたりすることも多いからです。
​袋に「カタクチイワシ」の表示があるか確かめてください。「マイワシ」煮干しは硬いものが多いので小さいお子さんには、うまく割れないなど、扱いが難しいようです。

Q2・煮干しはどうやってつくるの?

A2・魚介類を一度煮てから干します。だから煮干し。新鮮なうちに煮沸殺菌しているようなものなので、内臓が腐りにくく、形が良く保存されています。これが観察に適している理由にもなっています。

Q3・煮干しといえば、うちのほうでは別の魚もあるんだけど。

A3・カタクチイワシの他に、アジ、マイワシ、トビウオ、ワカサギなども煮干しに加工されます。イカ、エビなどの煮干しもあります。また、「カタクチイワシ」は分類学上の和名で、地方ではいろいろな名前で呼ばれています。東北では「ぶと」関東では「背黒」「しこ」「ひしこ」など、関西、四国、九州では「たれくち」「えたれ」「ほおたれ」「こしなが」など。

Q4・他の魚の煮干しでは解剖できないの?

A4・ある程度の大きさは必要だと思いますが試してみてはどうでしょう。内臓の名前などを確定するのは、ここの資料だけでは難しいかもしれません。お試しになったら、どうぞ結果を教えてくださいね。

Q5・煮干しのイワシは子ども?親?

A5・カタクチイワシは大きいものでは15㎝くらいになるそうです。1年で12cm以上になることもあれば、2,3年かかってそのサイズになることもあるとか。つまり、生まれてからの環境次第ということでしょうか。体調5㎝~8㎝くらいで産卵することもあるそうですから、小さくても「親」ということもあるわけです。寿命は長くて3年程度といわれています。耳石に輪のような模様があり、それが年輪のような意味を持つこと、成分が入れ替わらず付加的に成長することから、耳石をくわしく解析することで気候や生育環境などがわかります。ちなみに、生まれて間もない仔魚を「しらす」、「どろめ」などといい、これをゆであげたものがしらす干しです。3~5㎝のものは「田作り(ごまめ)」として利用されます。

Q6・カタクチイワシは何を食べてるの?

A6・主に動物性プランクトンと言われますが、ろ過食であり選択的に食べるわけではないので、解剖で取り出した胃を水に入れてふやかし、ハサミかピンセットなどで切り開いて内容物をスライドグラスの上にひろげ顕微鏡で観察すると、植物性プランクトンも動物性プランクトンも見つかります。プランクトンの観察に慣れていないと、見分けるのは難しいですが、ケイソウ、エビやカニの幼生の脚など体の一部が見つかります。

参考資料:

参考文献

金子虎寿『水産動物図説―ミジンコから魚介類まで―』(成山堂書店,1992)
カタクチイワシの解剖図あり。学校の解剖ではおなじみのコイやフナ,イカの解剖図もくわしい。

 

日本動物解剖図説 広島大学生物学会 森北出版 1971
魚類の解剖図いろいろ。

 

会田勝美『魚類生理学の基礎』(恒星社厚生閣,2002)
魚類の体のはたらきや,相互の関係について。

 

松原喜代松・落合明・岩井保『新版 魚類学 上』(恒星社厚生閣,1979)
イワシ類についてくわしい章があり,カタクチイワシについてもくわしい。

 

平本紀久雄『イワシの話』(シリーズ海,らくだ出版,1998)
水産試験場でイワシの漁況予報に携わっていた平本さんが書いた,マイワシを中心としたイワシにまつわる児童向けお話の絵本。調べ学習ガイドつき。

 

『魚類学実験テキスト』(東海大学出版会,2006)
魚類一般の,骨,筋肉,ひれなどについての解剖図や解説,記録法などのほか,生理学や生態研究のための基礎的な知識と具体例。

ウェブ資料

 

水産資源評価のページ(毎年のカタクチイワシの資源評価を含む)
http://abchan.fra.go.jp/

 

長崎県の中型まき網船団「天洋丸」さんのHP カタクチイワシ漁、煮干しの加工風景の写真など、解説も詳しい。
http://tenyo-maru.com